法律上の結婚
日本の民法では、婚姻の成立に 法律上の手続を要求する法律婚主義を採用しています(民法第739条)。実質的要件 として、当事者に婚姻の合意があること、当事者が婚姻適齢にあること、当事者間に一定の人的関係がないことなどが必要とされています。形式的要件として、 戸籍法に基づく届出が必要とされます。
日本における婚姻適齢は男性は18歳以上、 女性は16歳以上です。 未成年の結婚には片親の承諾が必要となります。親が一度承諾したら、未成年であっても再婚時の承諾は必要がなくなります。ただし、未成年者(婚姻適正年齢外)であるからといって結婚をする約束(婚約)は無効にはならないという判例も見られる為、高校生同士が結婚の約束をしていたことが証明されるに至った場合には法的効力をもつ婚約としてみなされる場合もあります。
婚姻することをTVや新聞では「入籍」と表現する場合が多いですが、婚姻の届出がなされると、原則として夫婦について新戸籍が編製される(戸籍法16条)事から、むしろ「出籍」という言葉の方が適当です。「婚姻届を出した」ということを、「入籍届を出した」と表現されることがありますが、入籍届は離婚時に子が別な戸籍に入るための物であり、婚姻届とはまったく別の物です。
◎民法
第1節 婚姻の成立
第1款 婚姻の要件
第731条〔婚姻適齢〕
男は、満18歳に、女は、満16歳にならなければ、婚姻をすることができない。
第732条〔重婚の禁止〕
配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。
第733条〔再婚禁止期間〕
@女は、前婚の解消又は取消の日から6カ月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
A女が前婚の解消又は取消の前から懐胎(妊娠)していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
第734条〔近親婚の制限〕
@直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。
但し、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
A第817条の9〔特別養子縁組による親族関係の終了〕の規定によって親族関係が終了した後も、前項と同様とする。
第735条〔直系姻族の婚姻禁止〕
直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第728条〔姻族関係の消滅〕又は第817条の9〔特別養子縁組による親族関係の終了〕の規定によって姻族関係が終了した後も、同様である。
第736条〔養親子間の婚姻禁止〕
養子、その配偶者、直系卑属(子・孫・甥・姪など)又はその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第729条〔離縁による親族関係の消滅〕の規定によって親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。
第737条〔未成年者の婚姻〕
@未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
A父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。
父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様である。
第738条〔禁治産者の婚姻〕
禁治産者が婚姻をするには、その後見人の同意を要しない。
第739条〔婚姻の届出〕
@婚姻は、戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによって、その効力を生ずる。
A前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上から、口頭又は署名した書面で、これをしなければならない。
第740条〔婚姻届出の審査〕
婚姻の届出は、その婚姻が第731条ないし第737条〔婚姻の実質的要件〕及び前条第2項の規定その他の法令に違反しないことを認めた後でなければ、これを受理することができない。
第741条〔在外日本人間の婚姻の方式〕
外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合には、前2条の規定を準用する。
第742条〔婚姻の無効〕
婚姻は、以下の場合に限り、無効とする。
1 人違その他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
2 当事者が婚姻の届出をしないとき。但し、その届出が第739条第2項〔婚姻の届出の方法〕に掲げる条件を欠くだけであるときは、婚姻は、これがために、その効力を妨げられることがない。
第743条〔婚姻の取消〕
婚姻は、第744条乃至第747条の規定によらなければ、これを取り消すことができない。
第744条〔婚姻取消事由及び取消権者〕
@第731条乃至第736条〔婚姻の実質的要件〕の規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
A第732条〔重婚禁止〕又は第733条〔再婚禁止期間〕の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消を請求することができる。
第745条〔不適齢婚取消権の消滅〕
@第731条〔婚姻適齢〕の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消を請求することができない。
A不適齢者は、適齢に達した後、なお3カ月間は、その婚姻の取消を請求することができる。但し、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。
第746条〔再婚禁止期間内の婚姻の取消権の消滅〕
第733条〔再婚禁止の期間〕の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消の日から6カ月を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消を請求することができない。
第747条〔詐欺・強迫による婚姻の取消〕
@詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。
A前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後3カ月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。
第748条〔婚姻取消の効果〕
@婚姻の取消は、その効力を既往に及ぼさない。
A婚姻の当時その取消の原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受ける限度において、その返還をしなければならない。
B婚姻の当時その取消の原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。なお、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責に任ずる。
第749条〔離婚の規定の準用〕
第766条乃至第769条〔離婚の効果〕の規定は、婚姻の取消につきこれを準用する。
第2節 婚姻の効力
第750条〔夫婦の氏〕
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
第751条〔生存配偶者の復氏〕
@夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。
A第769条〔離婚による復氏の際の祭祀供用物の承継〕の規定は、前項及び第728条第2項〔生存配偶者の姻族関係終了の意思表示〕の場合にこれを準用する。
第752条〔同居・協力・扶助義務〕
夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。
第753条〔婚姻による成年化〕
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
第754条〔夫婦間の契約取消権〕
夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、何時でも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。
但し、第三者の権利を害することができない。
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