収益還元法計算の予備知識
まずは、不動産投資における収益還元法の計算方法を知る前に、「現在価値」と「将来価値」について説明します。
まず、以下の設問について考えてみてください。
今後5年間毎年10万円づつ必ずもらえる権利があるとします。さて、この権利を購入する妥当額はいくらくらいでしょうか?なお、無リスク資産の金利は3%とする。
ここで、50万円と答えた方は失格です。お金には現在の価値と将来の価値という二つの概念があります。将来価値とは、例えば10年後にもらえる100万円のことで、現在価値とはその100万円を今の価値に直したらいくらくらいになるのか?という意味です。
通常の状況では現在価値と将来価値では同額であれば現在価値の方が高くなります。直感的に考えてみてください。今日もらえる10万円と10年後10万円もらう約束をするのとでは、今日10万円をもらえる約束をしてもらったほうがお得感がありますよね。
では、この権利の適正な価格について考えて見ましょう。
将来価値=現在価値×(1+利回り)となります。
ここから両辺を(1+利回り)で割ってやると、現在価値が出てきます。
現在価値=将来価値÷(1+利回り)
これから計算すると、
有価証券Aの現在価値は、
1年後 10万円÷(1.03)
2年後 10万円÷(1.03×1.03)
3年後 10万円÷(1.03×1.03×1.03)
4年後 10万円÷(1.03×1.03×1.03×1.03)
5年後 10万円÷(1.03×1.03×1.03×1.03×1.03)
を純粋に合計したもの、つまり、有価証券Aの現在価値≒45万7900円
という事になります。これが、現在価値と将来価値の計算方法です。そこまで難しい事ではありませんが、次の収益還元法の計算では、この現在価値と将来価値の計算方法については知っておく必要があります。
収益還元法による不動産価値算定
土地というものは、情勢により価格変動はあったとしても、資産として劣化することはありません。特別な事をしない限り、今日の土地と明日の土地にはなんら違いはありません。とすると、土地の収益期間は無限大となります。
しかし、その上に建っている建物については日々劣化していきます。
つまり、不動産投資というものは劣化資産と非劣化資産の組みあわせということになり、計算が若干やっかいになりますが、マンションなどの場合は劣化資産という考え方のみでいっても問題ないでしょう。
また、このページでは計算の簡略化のため、土地と建物両方をいっしょに考えます。
さて、収益還元法の算出方法ですが、式は非常にシンプルかつ簡単です。
不動産の収益還元価値=収益÷利回り
です。なぜこのようなシンプルな式になるかについては、収益が永久に続くと今年〜n年後までの現在価値の合計は
収益÷利回り×{1−1÷(1+利回り)n乗}となり(等比数級の和の公式)
(1+利回り)n乗はn=∞とすると、解が1になるからです。
数学好きの方は自分で計算してみても良いですが、面倒な人は上の太字の結論部分だけを覚えておいてください。
つまり、不動産の価値は、不動産から得る収益を利回りで割る事で簡単に計算する事ができるのです。
わかりやすくする為に、簡単な例を用いて考えてみましょう。
賃料年間200万円の不動産があるとします。そして、東京における一般的な不動産投資の利回りが4%前後であることを考えると、
200万÷0.04=5000万
つまり、このマンションの価値は5000万円という事になります。このようにシンプルかつ簡単に求める事ができます。
例えばあなたが今検討している不動産(購入価格4000万円)があって、同じ不動産が賃貸に出されていた場合、その賃料が年間120万円だとすると、120万÷0.04=3150万円となり、今検討している物件は割高な物件ということになります。
逆にこの計算から、あなたが引越ししようとしている物件の賃料が妥当かどうかについても検証することができます。
このように不動産の収益還元法は大変便利ですので、是非覚えておいてください!対不動産投資の営業マンに対しても「収益還元法」について問い合わせて見てください。相手側もきっと「コイツ素人じゃないな」と思ってくれるはずです。
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